恋愛の始め方
「何してんだよ。風邪ひくぞ」


そう言い、間宮はあたしの肩にブランケットを掛けた。

そしてあたしの隣に並び、タオルで髪を乾かす。


「ねぇ、この町好き?」

「なんだよ、いきなり」

「ちょっと、気になって」

「好きも嫌いも、考えたこともねぇ」


そっか。


「あたしが居る町はね?街灯も疎らで、みんなが顔見知りみたいな町なの。コンビニもないし、スーパーまで遠いし、バスも滅多に通らないし・・・昔は、大っ嫌いだった」

「昔はってことは、今は好きなんだな」


間宮の言葉に、あたしは笑って答える。


「うん、好きだよ」

「俺より?」


え?

不意の、間宮の言葉に驚きの余り目を見開く。

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