恋愛の始め方
そんなあたしに、彼はフッと笑みを零す。


「乗りますか?」


そして、また同じ質問をする。


「だ、だから・・・どうして、ここに居るの?」

「う~ん。強いて言うなら、人探しかな」


人探し?

こんな田舎町で?


「意味、わかんない」

「とりあえず、乗れば?」


とりあえずって・・・

中々動こうとしないあたしを見かね、間宮は車から降りて来る。

1年前と何ら変わらない、間宮があたしの前に立つ。


「変わらねぇな、お前は」


そう言い、間宮は車に寄りかかる。


「なぁ、まだ約束覚えてる?」


・・・約束?


「ハチ公みたいに、大人しく待ってろって言っただろ?」


忘れたことなんて、一度だってない。

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