恋愛の始め方
あたしの全てが、ここにある。

少しでも、貴方と過ごした空気を忘れない為に。

あたしは、生涯この場に居たい。


「はぁ」


自然と、口から零れたため息。


「なんだよ」


傍から聞こえた、不機嫌そうな声の主にあたしは尋ねる。


「どうして、救命医になったの?」

「1人でも多くの人間を助けたいから」


教科書通りの回答に、鼻で笑ってしまう。


「なんだよ」

「お手本みたいな医師だと思っただけ」

「バカにしてんだろ」


バカにしたつもりは、決してない。

だけど、現実なんて残酷なモノだ。

それに救命は、リスクが高い。

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