恋愛の始め方
助けられたら、ありがとうと普通の医師のように感謝される。

だけど、どんなに最善を尽くしても助けられないことだってある。

それを理解してくれる遺族もいれば、噛みついてくる遺族が居るのも事実。

そして悪くいけば、訴えられてしまう。

助けたいと思っても、助けられない。

その時、どんなに自分が無力だと思い知らされることか。

救命の医師は、技術はもちろん、メンタルが強くなきゃやっていけない。

自分を信じられなきゃ、迷いが生まれる。

その迷いが、人の死へと直結する。

それは、とても怖いことだ。

この人は、あるのだろうか?

重体患者が運ばれて来た時、恐怖を感じることが。


「怖くないの?」

「何が」

「助けられないって、思った時」


間宮はあたしの隣に横になり、遠くを見る。

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