恋愛の始め方
「一人暮らしだし、1Kで十分だよ」


家なんて、寝に帰って来るような場所だし。

病院から近くて、家賃が安ければ、どこでも良かった。


「連れ込めねぇじゃん」

「連れ込む気ないんで」


言い捨てるように言い返し、車を降りる。

部屋に入り、洗濯機に衣類等を投げ捨て、近場にあった服を身に纏う。

そして、再び車へと戻った。


「早いな。女なら、いろいろ時間掛かるもんなんじゃねぇの?」


お風呂も入って来たし、ここには着替えをしに来ただけだ。

そう、時間が掛かることなんてない。


「どうせ病院に行くだけだし」


間宮は、あたしの言葉に鼻で笑った。


「お前に、男が居ない理由がわかった気がする」


そう言い、車を発進させた。

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