恋愛の始め方
それから間宮のいきつけのお店でご飯を済ませ、病院へと向かった。

間宮と駐車場で別れ、院内に入るなり、頭を仕事モードに切り替えた。

怪我した足が気掛かりだが、それと仕事は別物だ。

怪我は不注意だし、それを言い訳に出来ない。

痛くない、痛くない、痛くない。

そう呪文のように自分に言い聞かせ、ナース服に着替え、自分の職場である救命へと向かった。

その日は、嬉しいことに一度もコールが鳴らなかった。

コールが鳴らないからと言って、仕事がないわけではない。

だけど急患が運ばれて来るのと、来ないのとでは仕事量はガラッと違う。

滅多にない、静かな院内。

それに少し物足りなさを感じながら、あたしは業務をこなした。

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