どん底女と救世主。
あとは、ナスの揚げ浸し。
秋なすにみょうがというこの時期しか食べられない最強の組み合わせは、ただ私が好きなだけだけど、課長もきっと好きなはず。
あの人、和食好きだし。
それと、きっとこれだけでは物足りないだろう課長のためにボリューム満点の軟骨入りのとりつくねも作ることにする。
大葉も巻いて焼いて卵の黄身に付けて食べれば最高に美味しいはず。
なんて、自分の気持ちを高めながら準備に取り掛かかろうとキッチンに立つと、朝食の食器はきちんと洗ってあるのが目に付いた。
良かった、ちゃんと全部食べてくれてる。
朝、眠い目を擦りながら作る食事を残されるのは正直つらい。
勝は割と朝が弱くて、作っても食べてくれないことも多かったけど、課長は作ったものはきちんと食べてくれる。
その上、こうやって片付けまでしてくれて。勝とは大違いだ。
なんて、課長と勝を比べても仕方がないけど。