「嘘だよ」とは言えなかった。
応援



「真美、今週の土曜日サッカーの試合なんだけどさ応援来てくれる?」




そう言われたのはいつも通り普段日課にしている帰宅途中だった。



春人は私の事をジッと見ていて私も自然と春人を見つめ返した。



「土曜日?なら行けるかも」



そう私が言っただけで春人は嬉しそうに笑いさらに手を握る力を強めた。



私が応援に行くぐらいでそんなに喜んでもらえるなんてこちらとしても嬉しい。



「差し入れ持っていくね!」




「まじかよ、頑張れるわ!」





差し入れ何がいいかなぁ。


春人は何もらったら喜んでくれるかなぁ。



私も春人の試合が観れると思うとちょっと楽しみだ。





そんな気持ちでその日は満たされていた。






次の日学校に行きさっそく仲のいい友達、亜梨沙の所へ駆け寄る。




「おはよう亜梨沙、頼み事があるんだけどさぁ」



そう言いながら亜梨沙の前の席に腰掛けた。




「土曜日にサッカー部試合があるみたいで、応援行かない?一人じゃちょっと心細くて、もちろん山中君もいると思うしさ」




山中君とは亜梨沙が今気になっている男の子だ。



「土曜日なら暇だしいいよー」




「ありがとう!」




さすがに一人じゃやっぱり寂しいし良かった。



ホッとしているとふと横から「坂峰達来るの?」と声が聞こえた。



横に視線を向けるとバッグ下ろしている松原君がいた?



「あ、うん春人が試合来てって」



「あーだからアイツ朝練あんなに頑張ってたのか、アイツ上手いから楽しみにしときな」


そう言いながら松原君はクスクスと笑った。




上手いのは松原君くんもでしょ、と言いそうになって辞めた。



何を考えているんだろう私は。





「うん、楽しみ」




私は自分の気持ちを隠すよう何事もないように笑った。


























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