拷問ゲーム
「オレが負けを認めるわけないだろ。

オレはお前に『参りました』って言うくらいなら、自分の舌を引っこ抜いて、便所に捨ててやるぜ」




「ハハハッ。

やっぱり高木は、おもしれぇぜ。

オレは、お前みたいなバカが嫌いじゃないぜ」




そう言った藤城は、中川からくじをもらい、オレたちに目を向けた。




「それじゃ、またくじ引きをやろうぜ。

赤が先攻。

青が後攻だ」




藤城はそう言って、自分の手のひらで、二本のくじをこねくり回したあとに、オレたちの顔を見つめた。




「右でも左でも、好きなくじを引けよ。

もちろん、後攻が有利だぜ。

自分の番が回ってくる前に、拷問ゲームが終わるかもしれねぇからな」




オレは藤城の手の中にある二本のくじをじっと見つめていた。




後攻を引ければ、オレにも拷問を受けずに、勝つチャンスがあると思いながら。
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