空の上から愛してる


消えないように、手で囲みを作るけれど隙間から風が拭いて消えそうになる。


あたしは必死だった。
でも…願いは叶わなかった…。



ある日、何かが終わりを告げた。
いつものように優くんと接しているけれど、優くんはそうではないよう。あたしを見て笑う姿が前と違う。
どこかで無理をしているような、そんな笑い方。
気になったけど言えない。
言ってしまったら、あの言葉を言われそうだから。
それは『別れ』



この日も優くんと一緒に帰っていた。
その時、前からあの人が現れたのだ。



「百合~元気~?」



陽気にこう言う先輩。
未だに恐怖から抜け出せなくて、優くんの後ろに隠れる。

心臓の鼓動が速くなる。息ができないよ。
蘇る、あの光景。
体にできた、アザ。
偽物のペアリング。



「滝川先輩やめてください」



優くんはかばってくれるけど、それは本心だったのかな…って思った。


もうあたしは必要ないかな?



< 180 / 468 >

この作品をシェア

pagetop