空の上から愛してる
消えないように、手で囲みを作るけれど隙間から風が拭いて消えそうになる。
あたしは必死だった。
でも…願いは叶わなかった…。
ある日、何かが終わりを告げた。
いつものように優くんと接しているけれど、優くんはそうではないよう。あたしを見て笑う姿が前と違う。
どこかで無理をしているような、そんな笑い方。
気になったけど言えない。
言ってしまったら、あの言葉を言われそうだから。
それは『別れ』
この日も優くんと一緒に帰っていた。
その時、前からあの人が現れたのだ。
「百合~元気~?」
陽気にこう言う先輩。
未だに恐怖から抜け出せなくて、優くんの後ろに隠れる。
心臓の鼓動が速くなる。息ができないよ。
蘇る、あの光景。
体にできた、アザ。
偽物のペアリング。
「滝川先輩やめてください」
優くんはかばってくれるけど、それは本心だったのかな…って思った。
もうあたしは必要ないかな?