いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。
「あの……湿布を……」
そうだ。あたしは今、黒崎くんに湿布を貼っていて……。
そろそろと腕を伸ばして袋を掴もうとすると、
「どうして黒崎に湿布なんか貼ってんだよ!」
あたしよりも早くそれを取り上げた律くんは、責めるよう視線と口調を投げてきた。
「だって、アザが……」
「アザ?」
「青くなってて、すごく痛そうに見えたから……」
テンパりすぎて、バカみたいに事実だけを口にするあたしに。
「放課後の2人きりの教室ですること?まるで美優が黒崎を好きみたいじゃんか」
「……っ!?!?」
な、なにを言いだすの!?
あたしでさえ口にすらしたことのないの気持ちを他でもない律くんに代弁されて、今にも口から心臓が飛び出しそう。
「そ、そんなわけっ……」
なのに喉はもうカラカラで、否定する言葉さえ弱くなる。
「これは俺が美優のためにあげたものだし。それを他の男のために使うなんておかしいだろ」
「……」
まるで嫉妬してるみたい。
律くんがあたしに嫉妬する必要なんてないのに。
それとも、まだ演技し続けてウソを貫きたいのかな。
そんな無駄なことやめたっていいのに。