いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。



「そうだ、映画いつ見に行く?」



思い出したように目を輝かせる律くん。



「映画?」



なんの話だっけ?、と空に目を泳がせると。



「忘れちゃった?この間約束しただろ?美優が原作を読んでたやつ見に行くって」



あたしは「あ、」と声を漏らした。


律くんとの会話なら、どんな些細なことでも覚えてるはずなのに。

その日、黒崎くんとあんなことがあったからすっかり抜け落ちちゃってたんだ。


あたしの誘いを律くんがちゃんと覚えててくれてうれしい。

思い切って誘ってみて良かった。



「次の土曜日なんてどう?ちょうど部活休みなんだ」


「ほんとに?」



声が上ずりながら喜んで……と、ブルーなことを思いだす。



「あ……でも7時から塾があるの……休んじゃおうかな」



そのあと勉強する気にもなれないし。

うん、そうしようと心の中で決めると。

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