もしもの恋となのにの恋
夏喜のその声は本当に小さかったがそれは千鶴の耳に届いたらしかった。
千鶴はゆっくりとこちらを振り向くと一瞬、驚いた表情をしたもののすぐにそれは喜色へと変わった。
俺は千鶴の笑顔に弾かれるように夏喜と繋いでいた手を離した。
それを夏喜はどう思っただろう?
まあ、そんなことはどうでもいいことだ。
千鶴のすぐ横には宮原さんがいた。
宮原さんは俺と目が合うとにこりと微笑んで軽い会釈をしてくれた。
本当に宮原さんは人当たりのいい人だ・・・。
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