甘く、温かいドリンク
どんなに考えても別れたほうがいいのだ。
当たり前だ。誰にでもわかる、シンプルな答え。

それでも、私は別れられずにいる。
執着なのだろうか。情なのだろうか。

若く危うい君。放っておけない君。


私の未来のために、私の心の平穏のために、別れる。
それは本当に私の心の平穏のためなのか?

別れるほうが、よほど心は荒む。

何度、どんなに考えても、苦しいことを我慢してでも愛し続けていたい。
いつでもそれが私の答えだ。

馬鹿げている。自分でもそう思う。
運命などというふざけた都合のいい言葉を信じるほど若くはない。

例えいずれ私の価値が君のなかでセフレ並みに、セフレ以下になったとしても、たぶん私は君を愛し続けるだろう。

君の成功と幸福と健康が私の幸せだと思ってしまう。

きっとこんなこともきれいごとなのだ。
愛するということは、愛されたいのだ。愛されたいから愛する。
おそらく人間というのは、本来的な意味での無償の愛などというものを持ち合わせていないのだ。

君が忙しすぎて私をセフレ以下に扱っても、私は、怒り泣いて、君にそれをぶつけて、君がそれを謝らずにいても愛する気持ちは変わらなかった。

自分でも持て余すのだ。君を愛しているというこの気持ちを。
だれかわかる人がいるなら、どうか説明してほしい。
私が君を嫌いになれない理由を。

きっと無償の愛などという高尚なものではもちろんないのだろう。

世の中のたいていの疑問は、インターネットで検索すれば解決するが、この気持ちの謎は、何度検索しても解決しなかった。
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