冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
諒は諒でちゃんと動いている。


何をしているかはわからないけれど、夜遅くまで帰って来ないということは、それだけ大変なんだろうと思う。朝だってたまに私よりも早く出ていっていることもあるから。


それなのに、私はまだ本当に何もわからない白紙状態のまま。もうすぐ始まるというのに。


「気負い過ぎるな。確かに俺が課した命令は、厳しいかもしれない。だけど、どんな些細なことでもいいんだ。EMISIAでお前がジョルフェムをアピールすればいい」


「・・・はい」


「始まる前からそんなに不安そうなら本当に置いていくのが心配だな。そんなにお前に一つ、お守りをやろうか」


暗く沈んで顔も上げられない私にそう言った諒。そして感じた首元の冷たさ。


「これ、ネックレスですか?!」


「ああ。さすがにチャームを首からぶら下げるわけにもいかないし、それにそれを見た瞬間、チャームと重なって見えたからな。そばにいてやれない俺の代わりだ」
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