冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
ベッドから下りて社長に背を向け、テーブルの上の紙袋を取り、さっきから気になっていたみぃのトレードマークのリボンの形のソファに腰を下ろした。
「新作のファーのバッグ?それともクリスマス限定のやつか?」
私が目を輝かせながら紙袋を開けようと苦戦していると、社長が隣に座って紙袋からバッグを取り出してくれた。クリスマス限定のやつでも、新作でもない。私が欲しかったバッグはこれ。
「これ、型落ちしたやつだろ。なんでこんなもん」
「型落ちとか関係ありません。私はずっとこのバッグが欲しかったんです」
呆れたように言う社長に、バッグを胸に抱いてムッとしたように言い返した。赤色のスクエアバッグ。
真ん中には立体的なレザーのリボンがついていて、四角い形でマチもあって使いやすいということも聞いていた。だからいつか、絶対に買ってやると心に決めていたんだ。
「私、ジョルフェムのカバンが好きな理由の一つがこの赤色なんです。確かに赤色のバッグはたくさんあるんですけど、ジョルフェムのこの鮮やかな赤色が大好きなんです」
「・・・まったく店員としては最低な店員だな、みぃは。普通なら新作を買ってそれを使って客に勧めるもんだろ。そんなの関係なく、自分の欲しいものを買うなんて本当にありえない」
「あっ、そ、そうですよね。すみません」
型落ちなんてバカにされたような気がして言い返したけれど、よくよく考えたらショップ店員としてはとても威張れるような発言でもない。むしろ、ありえない発言。
それを指摘されるまで気がつかないなんて、私は大バカだ。しゅんとまた落ち込んでしまった。
「新作のファーのバッグ?それともクリスマス限定のやつか?」
私が目を輝かせながら紙袋を開けようと苦戦していると、社長が隣に座って紙袋からバッグを取り出してくれた。クリスマス限定のやつでも、新作でもない。私が欲しかったバッグはこれ。
「これ、型落ちしたやつだろ。なんでこんなもん」
「型落ちとか関係ありません。私はずっとこのバッグが欲しかったんです」
呆れたように言う社長に、バッグを胸に抱いてムッとしたように言い返した。赤色のスクエアバッグ。
真ん中には立体的なレザーのリボンがついていて、四角い形でマチもあって使いやすいということも聞いていた。だからいつか、絶対に買ってやると心に決めていたんだ。
「私、ジョルフェムのカバンが好きな理由の一つがこの赤色なんです。確かに赤色のバッグはたくさんあるんですけど、ジョルフェムのこの鮮やかな赤色が大好きなんです」
「・・・まったく店員としては最低な店員だな、みぃは。普通なら新作を買ってそれを使って客に勧めるもんだろ。そんなの関係なく、自分の欲しいものを買うなんて本当にありえない」
「あっ、そ、そうですよね。すみません」
型落ちなんてバカにされたような気がして言い返したけれど、よくよく考えたらショップ店員としてはとても威張れるような発言でもない。むしろ、ありえない発言。
それを指摘されるまで気がつかないなんて、私は大バカだ。しゅんとまた落ち込んでしまった。