冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「あはは」と笑って返すと三宅さんは、ポンと私の肩を叩いた。どうしたんだろうと三宅さんを見ると左手をチラリと私に見せて来た。薬指にはキラキラと輝くダイアモンド。
「三宅さん、結婚するんですか?!」
「そうなの。でも彼が大阪に転勤することになって。私もついていくことになったの。それでね、桜木、私の後任は桜木を推薦したの。本決まりだってさっき連絡もらったわ」
「えっ?!わ、私ですか?!私、やっと正社員になったばかりですよ!」
「そうね。でも、桜木は個人の売り上げが決していいわけでもないし、押しが強いわけでもないんだけど、バッグ一つ、一つを本当に大切にしている。それに本当にジョルフェムのバッグが好きなことも伝わってくるし、桜木が店長になればスタッフみんながそんな気持ちになってくれるんじゃないかなって」
ニコニコと話す三宅さんとは対照的にボロボロと涙が止まらない私。
社長にも言われたように私は流行りや最前線のものよりも好きなものを優先させてしまう。
接客だって本当なら入荷したばかりのものを勧めなくては、いけないのに相手に合うものを考えてしまうから売上にも貢献できてない。
そんな私が店長なんて。
「三宅さん、結婚するんですか?!」
「そうなの。でも彼が大阪に転勤することになって。私もついていくことになったの。それでね、桜木、私の後任は桜木を推薦したの。本決まりだってさっき連絡もらったわ」
「えっ?!わ、私ですか?!私、やっと正社員になったばかりですよ!」
「そうね。でも、桜木は個人の売り上げが決していいわけでもないし、押しが強いわけでもないんだけど、バッグ一つ、一つを本当に大切にしている。それに本当にジョルフェムのバッグが好きなことも伝わってくるし、桜木が店長になればスタッフみんながそんな気持ちになってくれるんじゃないかなって」
ニコニコと話す三宅さんとは対照的にボロボロと涙が止まらない私。
社長にも言われたように私は流行りや最前線のものよりも好きなものを優先させてしまう。
接客だって本当なら入荷したばかりのものを勧めなくては、いけないのに相手に合うものを考えてしまうから売上にも貢献できてない。
そんな私が店長なんて。