冷徹社長の秘密〜彼が社長を脱いだなら〜
「正社員にもなったところで、不安は多いかもしれないけれど、近いうちに正式な辞令が出るはずよ。他店舗から異動もないだろうし、頑張ってね桜木店長」


「私が店長なんて、三宅さんみたいな素敵な店長になる自信なんてありません」


「私になる必要はないわよ。桜木は桜木なんだから。そりゃあこれからは売上のことも考えていかなきゃいけないけれど、桜木は桜木のやり方でこのショップを支えていってほしいの」


「三宅さん」


三宅さんの言葉が嬉しくて、ギュッと抱きつくとポンポンと優しく頭を撫でてくれた。何度も辛い日々があったけど乗り越えてこられたのは本当に三宅さんのおかげでもある。



店長だと言われてまだ自信は全然ないけれど、三宅さんやチャームをくれたあの店員さんみたいになりたいと思った。
< 64 / 152 >

この作品をシェア

pagetop