もしも、もしも、ね。


「俺は厄病神か?」

「惜しい、貧乏神。」



死神じゃないだけマシね。

そう言ったら、ユウは「今日もきついな」とまた笑った。

その笑顔に眉根を寄せる、私。

跡がつくぞ、とユウはその眉間を引っ張った。



「触らないでくれる?」

「じゃ、その顔止めろよ。」

「誰のせい。」



ユウは離す気がなさそうだから、自分から首をついっと勢いよく動かして顔を逸らす。

彼の手はあっさりと離れ、本気じゃなかったことを知る。



「お前どうしたんだよ、さっきから。」



顔を逸らす私の上から降ってくる、困った声。

いつもに増して鋭利だぞ。なんて付け足されて、

心の中で大きなお世話。と返す。

それでも、さすがに八つ当たりは悪いかなーなんて思わないことも無くて、

おそるおそる口を開いた。



「―――笑わない?」

「笑わない。」

「・・・今日、私、最下位なの。」



そう言って、ユウの顔を仰ぐ。

「は?」と言わんばかりのぽかん顔。



「今日の星座占い最下位で、本当に嫌なことばっかり起こるの。

だからさっさと帰りたいなー、みたいな。」


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