もしも、もしも、ね。


なんだそりゃ!

私と望果の声が被る。

准君は「だってインスピだし。」と肩をすくめた。



「ただ、今までの裕哉見て、周りの女見て、

アイツには暁里が合うなって思っただけだよ。」

「・・・。」

「で、親友の彼女なんてポジション許せる女、

オレにとってもお前だけ。」



そう言った准君の目は優しかった。

びっくり、なんて吹っ飛んで。

ただ取り込まれるようにその言葉に耳を傾ける。



「だから。」



准君はそこで区切って大きく息を吸った。

一度目を閉じ、

そして開き、

射抜くように私を見つめ、

一言。



「だから、暁里。

お前は自信を持て。」



―――准君もエスパーだったのだろうか。

私の欲しかった言葉をくれるなんて。

望果といい准君といい、本当に人間観察能力が優れているんだから。

(それとも私がわかりやすいとか?・・・いやいや、まさか。)

この二人、案外いいペアなのかもしれないな。



「よし。」



二人を見ていたら、

二人の言葉を聞いていたら、

なんか元気が出たかも。

私は小さく気合を入れた。



「私、がんばる!!」



空に向かって大きく宣言をしながら。

私、頑張る。


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