もしも、もしも、ね。


「さっきぶりだな。」



ユウ、だったんだもん。

どうして?どうしてユウが陸斗の家にいるの?

恵理奈ちゃんとの関係は?

私はどうして呼ばれたの?

疑問が一気に頭の中を占めて声が出ないでいると、

陸斗は「まぁ座れよ。」と私の肩を下に向けて押した。

私の体はすとんと落ち・・・ユウの隣に落ち着く。



「どーぞ。」



と恵理奈ちゃんが紅茶の注がれたカップを私の前に置いた。

それさえもを呆然と見つめていると、陸斗が驚いたように私を見た。



「え?つーか暁里何驚いてんの?」

「驚くよ!だって迎えは恵理奈ちゃんだし!恵理奈ちゃん陸斗の妹だって言うし!

来たら来たでユウがいるし!!」

「俺言ったじゃん?妹が迎えに行くっつーのも、お前の彼氏が家にいるっつーのも。」

「聞いてないし!!」



私の必死の抗議も、陸斗は「聞いとけよー」の一言。

そう言ったって!今更聞いたって!

来ちゃったし!!

私が恨めしく陸斗を睨んでいると、陸斗はそんな私を気にすることもなく「まぁキャストは揃ったな」なんて意味の分からないことを言う。



「暁里。」

「―――何よ。」

「とりあえず、何でお前を呼んだかっつーと、お前の誤解を解くためだな。」

「は?誤解?」


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