もしも、もしも、ね。


「総合優勝出来れば、違う形でもちゃんとクラスのヤツ喜ばせてあげられるって!」

「そう?」

「そうそう!赤組今4位だし、リレーまでどうなってるかわかんないけど。

でも頑張ってあげようよ。お詫びに、ね?」



泣いてた私がバカみたい。

そう思わせる程に、望果は私の思考をプラスに切り替えてくれた。



「―――ありがと。」

「いえいえ。持つべき物は良い親友、でしょ?」

「自分で言うな。」



何をー!!

なんて望果言ってたけど。

うん、思うよ。良い親友だよ、アンタ。






ってさ。

普通こんな綺麗にまとまったら、それでよくない?

だけど、“普通”じゃなかった。



「望果!!望果ぁっ!!!」



甲高い叫び声。

慌てたように私たちのところに来るのはクラスメートの女の子。

泣きそうになりながら、口を開く。



「アユがっ、階段から・・・!!今、保健室、でっ・・・!!」



慌てているのと泣いているのでよく口は回っていない。

が、それでも事情が把握できた。

望果は慌てて保健室方向に走っていく。


私はと言えば、一瞬迷った後



「行こ。」



とクラスメートの背を押して、一緒に走り出した。



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