もしも、もしも、ね。


「暁里なら、超適任よぉ。」

「な・・・な、なんで・・・?」



当たらないで。

この勘、当たらないで。



「だってぇ、












アユの相手、裕哉君だし。」

「降りさせていただきます。」



望果の言葉にマッハ並のスピードで私は切り返す。

やれるか!!



「ちょっと、暁里一回やるって言ったじゃん。」

「だからってユウだなんて聞いてない!」

「当たり前でしょ?今言ったんだから!」

「何開き直ってんのよ!!」



私と望果が言い争っていれば、保健室に集まっていた“アユ”の友人の一人が口を開いた。



「あれ?でも裕哉と桜野さんって。」

「付き合って・・・・・・・・・・・・・・ます。」



思わず「付き合ってない!!」と怒鳴りそうになった。

フェードアウトするように音量が下がった私の声は、最後に蚊が遠くで鳴くような声になった。



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