もしも、もしも、ね。

「にしてもさ。」

「ん?」

「俺たちって気合うと思わない?」

「そう?」



私は首を傾げる。



「だって、二人三脚もバトンも、なんだかんだいい連携してたじゃん。」

「それって気合うってことなのかなぁ。」

「そういうことだろ?」

「・・・でも、“連繋”って難しいよ。」



ホントに。

連繋って難しい。なんでこんなに怖くて緊張するんだか。



「あか―――」

「あーッ!!裕哉君と暁里手ぇ繋いでるっ!!」



何かを言おうとしたユウの言葉を遮って叫ぶ望果の声。

「げ」と私たちはそろって顔を上げた。

でももう遅い。

ミーハーな女子。冷やかし大好き男子。

子供じみたクラスメートに囲まれて、私たちはからかいの対象になっていた。



「~~~ッ!!うるさぁ~~~いッ!!」



次から次へと言われる恥ずかしい言葉に耐えられず、私は怒鳴った。

そうすると「桜野さんが怒鳴ったぁ。」となぜか楽しそうにされて。

なぜかそのリアクションが私も楽しくて。

笑いながら、怒った。





学校のイベントって、面白いのね。



クラスメートって、良いものなのね。



教えてくれて、ありがとう。ユウ。

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