もしも、もしも、ね。

「で?」

「ん?」

「ヒントは?」

「今あげたじゃない。」



ユウは「えー?」と考え込んだ。

手の繋ぎ方、今はまだ友達繋ぎだけど。


どうしてかな?

ヒントあげるためとはいえ、大嫌いなコイツと自分から手を繋ぐなんて。

体育祭の魔法かな。

クラスメートの魔法かな。

それとも夕日の魔法かな。

それでもなんだか、私の心はすっきりしてた。








あのね、ユウ。




私ね?




貴方に触れるのに緊張していたの。




貴方と繋がることが怖かったんだよ。








「ユウ?」

「なんだよ。」

「体育祭、楽しかった?」

「・・・ああ。」

「ならよかった。」



貴方が楽しかったならよかった。

私も楽しかったよ。

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