クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 定時を迎える頃には、任されていた業務は滞りなく済ませた。それほど逃げ場を求めていたんだと、自分を客観的に見つめ返しては、昼間に見たことが現実ではないと信じたくなる。


 指先で携帯を操作しても、柏原さんからの連絡は1つもない。
 抱き合っていたところは見ていなくても、その場に私がいたことは分かっているはずで……。言い訳の1つくらいあったほうが救われるのにな。



『今日、帰宅前に社員旅行の案内を参加予定者に周知してください』

 部長からのメール通知に、深呼吸をする。
 ここは会社。恋をする場所ではない。
 呪文のように繰り返して、意識に刷り込んで、地味子の私を徹底させた。


< 108 / 361 >

この作品をシェア

pagetop