クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 紅茶を飲んで、タンブラーを机上に置くと、新入社員くんが驚いた様子で私を見た。


「瀬織先輩、いらっしゃったんですね」

「……うん」

 すみませんね、存在感なくて。自分でそうしてるとはいえ、さすがに傷つくっての。


「その眼鏡、度入ってるんですか?」

「入ってますよ」

「へぇ、伊達かなって思ってたのに…………マジでダサい」

 最後の呟き声、しっかり聞こえたんですけど。マジでダサいとは失礼ね。この眼鏡はれっきとしたブランド物だし、この色気の無さが逆に狙ってなくていいと思って――



「瀬織さん、たまには早めに帰ってくださいね。いつも頑張りすぎですよ」

「……ありがとうございます」

 給湯ブースのコーヒーマシンから戻ってきた千堂部長は、香ばしい香りを漂わせながら席に着く。いつも忙しそうで、ひと息ついていると思えば誰かと電話をし、そそくさと外出したり会議に出席したりと頑張りすぎなのは部長も同じ。

 だけど、居場所を求めて勤しむ私とは違う。
 締めくくりの文章ができれば、この報告書は完成だ。頑張りすぎるくらいじゃないと、日陰の地味子は居場所がない。


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