クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 場を盛り上げるのが好きな人は、自ら檀上に上がって芸を披露する。

 せっかく楽しい時間なのに、愚痴りたくて仕方ない人たちは眉間にしわを寄せて、悪い顔をして笑う。



 柏原さんは女子に囲まれて浮かれていて、私には見向きもしない。後ろを通ったときだって、声をかけようともしない。


 完全無視。気持ちがいいくらいに避けられてる。




 あーぁ。彼と上手くいってたら、今夜はとびきり楽しかったかもしれない。

 女子に囲まれてる彼を目の当たりにして、心の底から嫉妬してムッとして。

 そんな私を見て彼は得意気に笑うんだ。「どうせ、俺のこと待ってたんでしょ?」って。



「瀬織さん」

「っ!はい、何か」

「さっきから呼んでたんだけど」

「すみません、ちょっと考えごとしてました」

 先輩が話しかけてきていることに気づかないなんて、まだ彼との思い出だけでどっぷり浸れるほど、終わった恋に溺れているんだと自覚した。


 報われないのに。


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