クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 人影が笹林の影から出てきて、思わず身を隠す。
 柱から少しだけ顔を覗かせ、話し声がする影の行き先へと視線を向けた。



「……いいじゃん、今日くらい」

 見つめあう2人は、柏原さんと彼の取り巻き。静寂の中じゃ嫌でも会話が聞こえてきて、動くこともできなくなる。


「だって、本気じゃないですよね?」

「……」

 宴会の前に腕を絡めていた女子社員だ。寒空の下、彼の腕に包まれながら、本気じゃないんでしょって確かめたところで、彼の誘いを断る雰囲気には見えない。


 あぁ、あんな感じだったのかもしれない。
 私も似たようなものだ。


 彼の甘い言葉に揺らされて、もがいてるようで自分から彼を気に留めるようになって。



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