クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「ただいま……」

 無音に等しい室内は、私が帰ってきてセンサーが反応した玄関と廊下だけが明るい。


 部長も出かけているのかもしれない。
 休みだと言っていたけれど、食事に出るくらいはするだろうし。


 ……彼女、いないのかな。


 いまさらながら、その存在をようやく気にする自分に驚く。


 千堂部長ほどの魅力があれば、周りが放っておいてくれない。現に社内でも人気があるし、社内恋愛禁止じゃなければ、毎日のように告白されていてもおかしくない。



 休み、週末、クリスマスイヴ、静寂の室内。



「私、バカだなぁ……」

 何を期待したんだろう。

 期待したところで社内恋愛禁止なんだから、部長と今以上の関係にはならないのに。



< 191 / 361 >

この作品をシェア

pagetop