クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 同じ匂いがする。


 私の部屋着と同じ。


 なのに、部長の服だという特別感が、唯一無二の香りを感じさせた。
 眠る前に洗面室で抱きしめられた一瞬の記憶が、香りを伴って蘇るせいでやけに恥ずかしい。




 洗面室に寄って脱いだ部屋着をバスケットに放ったら、Yシャツの上に飛び込んだ。


「着替え、終わりました……」

 キッチンで水を飲んでいた部長が1歩ずつ近付くだけで、1度ずつ熱が上がっていく気がする。



「おい、大丈夫か」

 足がもつれて、思わずふらっとした私を部長が支えてくれた。



 額で熱を計られ、せっかく熱さましシートで冷えた温度が戻される。


「まだ熱あるな……早く横になったほうがいい。明日になってもダメなら、医者連れて行くから」

 たぶん、熱は下がってきていると思う。

 体のだるさはほとんどないし、ぼーっとしたりもしない。


 部長が、こんな時に限ってやたら優しくて……困る。


< 212 / 361 >

この作品をシェア

pagetop