クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「だから、友達」
「……わかってますよ、別に」
可愛くない。分かってるなら聞くなって、彼の声が聞こえてきそうだ。
せっかくの楽しいデートが台無しになることも、部長がどんな気持ちでこうしてくれたのかもわかってるのに、聞かずにはいられなかった。
どんな答えだったらよかったんだろう。
友達じゃなくて、彼女でもなくて……。あの女性がどんな人なのか知ったところで、私と部長の関係が変わるわけじゃないのにな。
「おみくじは引いた?」
参拝を終えて、人の流れに沿って歩いていたら、部長から沈黙を破ってくれた。
「引かなかったです。すごく混んでたので」
「俺もまだ。……ん」
差し出された手に戸惑っていたら、掴まれて導かれて、彼のコートの中に収められた。
「結衣の手はいつも冷たいな」
「愛斗さんの体温が高いだけですよ」
「それ知ってんの、お前くらいだろうな」
肩の高さまで視線を下げて微笑む彼につられてしまおうと思った。
「私の手が冷たいって思うのも……愛斗さんだけだと思います」
伝わってますか?私の気持ち。
伝わってても、気づかないフリをしてくれますか。