クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「だから、友達」

「……わかってますよ、別に」

 可愛くない。分かってるなら聞くなって、彼の声が聞こえてきそうだ。
 せっかくの楽しいデートが台無しになることも、部長がどんな気持ちでこうしてくれたのかもわかってるのに、聞かずにはいられなかった。


 どんな答えだったらよかったんだろう。
 友達じゃなくて、彼女でもなくて……。あの女性がどんな人なのか知ったところで、私と部長の関係が変わるわけじゃないのにな。



「おみくじは引いた?」

 参拝を終えて、人の流れに沿って歩いていたら、部長から沈黙を破ってくれた。


「引かなかったです。すごく混んでたので」

「俺もまだ。……ん」

 差し出された手に戸惑っていたら、掴まれて導かれて、彼のコートの中に収められた。



「結衣の手はいつも冷たいな」

「愛斗さんの体温が高いだけですよ」

「それ知ってんの、お前くらいだろうな」

 肩の高さまで視線を下げて微笑む彼につられてしまおうと思った。


「私の手が冷たいって思うのも……愛斗さんだけだと思います」


 伝わってますか?私の気持ち。

 伝わってても、気づかないフリをしてくれますか。





< 231 / 361 >

この作品をシェア

pagetop