クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
ワインボトルが空になり、グラスと一緒にキッチンへと彼が持っていった。
「久しぶりに飲んだなぁ」
「酔ってますか?」
「まだ全然飲めるけど、飲み足りない?」
もう飲めないと首を横に振ると、視界が少しだけ揺らぐ。
「結衣は強くなさそうだしな」
「おつき合いできなくてすみません」
「それくらいがいいよ、女の子は」
洗面室にある色違いの歯ブラシを手にして、並んで歯を磨く。
鏡に映っている2人は上司と部下。
キスだけは済ませてしまったけれど、それ以上はない。
「結衣、ちょっとこっち来て」
ベッドに入ってすぐ、彼は私を引き寄せた。
「……あと少しで、こういう夜もなくなるんだもんな」
今夜、初めて彼の胸元に顔を埋めて目を閉じた。