クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
繋がれた手を見るだけでくすぐったい気持ちになる。
社屋を後にすると、部長はすぐに目の前の大通りを走ってきたタクシーを止め、彼が住むマンションを行き先に指定した。
「今夜は帰さないから、そのつもりで」
走り出して間もなく、部長が私の手を繋ぎ直して言った。
予感していた流れが現実になった途端、受け入れようとすればするほど恥ずかしさに追いやられる。
仮の恋人同士で同棲していたんだから、お泊まりくらいなんてことないはずなのに。
そういえば、着替えも何も持ってきていないと思い出した。
彼の自宅から1番近い店を調べたくて、バッグの中にしまった携帯を見ようと手を伸ばすと、すぐに捕まえられてしまった。
「まさか、柏原と連絡取ってる?」
「違います。ちょっと調べたいことがあって」
「後にして。今夜は俺を構えって、言っただろ?」
部長の独占欲が、思っていたよりも強いってことも、ようやく分かったことだ。