クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「認めたほうが楽になるんじゃない?」

 私の気持ちを、彼はどうして分かってしまうのか――。


「……柏原さんは、私のどこが好きなんですか?」

「知りたい?」

 彼は、私の背中を包んだままで勿体ぶる。
 感じる温もりが愛しくて、恋の味がきゅんと染みいる感覚に息苦しくなった。


「結衣ちゃんが知りたいなら、教えてあげる」

 柏原さんは、私の髪にキスをして、耳と耳をくっつけるように顔を近づけてきた。


 少しでも振り向けば、吐息が混ざる。
 真っ赤に染まっていく顔を見られてしまう。

 焦る私の気持ちは見て見ぬふりをしているのか、彼の指先で簡単に操られ、視線を変えられた。


< 72 / 361 >

この作品をシェア

pagetop