クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「私っ……」
首筋に落とされたキスに、身体が強張る。
今までだって、こういう展開は経験があった。ちゃんと好きになった人とつき合って、時間が経てば互いを知るために、気持ちを伝えるために必要なコトだって、この歳になれば理解してる。
「ん?なに?」
耳元で滑る吐息と彼の声が甘すぎて、思わず声が漏れた。拒もうとするのはどうしてなのか、自分でも分からないけれど、流されるまま身体も想いも預けるのは不安になる。
だから、伝えておきたいと思うの。
「柏原さんが……好き」
指が絡んだ片手と、覆い被さる彼の影の中で呟いた気持ち。
社内恋愛なんて絶対にしないって決めてたのに、泣きたいほど好きになってた。
軽くて調子が良くて、女の影がつきまとう男なんて最低だと思ってたのに、柏原さんはいつでも真っ直ぐだから。
「俺も、結衣だけ想ってる」