クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

 いただいたサンドウィッチとカフェモカに口をつけ、もごもごと咀嚼しながら画面に視線を向けた。食べながらも考えてしまうのは企画のこと。佳乃さんに陰口を叩かれていたから逆に燃えてきてしまっている。それに、柏原さんに褒められたいし……。


「美味しい?」

「っ……はい、とても」

「そう、よかった」

 佳乃さんの視線が痛い。
 部長に気遣われてしまったうえに、優しく声をかけられてばかりじゃ贔屓されていると思われかねない。


「あの、部長っ」

 振り返った部長は言葉こそないけれど、優しく返事をくれていると表情から伝わる。


 サンドウィッチを持ったまま、部長に歩み寄って目の前に立つ。
 長身を見上げれば、自然と髪が後ろに流れ、眼鏡姿の化粧っ気のない顔が全開になった。


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