Blood of the Olympus 〜神と血縁関係にある少年〜
「いいよ。健にも変声術で諸々お世話になってるからおあいこだ。」




健から変声術のことを聞いたのは中2の夏だった。
たまたまオレが健の家に突撃で遊びに行った時、コロコロと声を変える健の姿を見てしまったからだった。

今思えばあの時、ちゃんと声が出せるかの確認中だったんだと思う。



「いいや、僕には返せないほどの借りが松島くんにはあるからね。」

何故か急に遠い目をしながら小さい声で呟く健。
この話になると健は思い出に浸っているかのように、遠い目をして必ず小指にある小さな指輪を見る。

本当は校則違反だが、担任の榊先生は健を何故か許してくれた。
シルバーのどこにでもありそうな何の変哲もない指輪。


思い入れがあるのだろうか。オレはその指輪を外した健の姿を







見たことがない。
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