ケダモノ、148円ナリ
「真冬(まふゆ)」

「寒そうな名前だな」

「やはり、毛皮でもふもふの国の人なのでしょうか」

「後ろにピラミッドがあるんじゃなかったのか」

 この人も真冬に産まれたから真冬よ、とよくわからない主張を始めるのだろうか、とかしょうもないことを思っていたが、貴継が勝手に、
「今、鍵を開ける。
 入れ」
と顕人の意志も訊かずに言ってしまう。

「回収に来てくれたのなら、ちょうどよかったじゃないか」
とそれこそ、新聞かなにかのように言い、顕人とつながったまま、ドアに行く。

 顕人は嫌そうだったが、そのまま連れられていった。

 ドアを開けると、ショートカットで気の強そうな顔をした女が見えた。

 貴継を見て少し驚いた気がする。

「此処は従妹の明日実さんの部屋では?」

「俺は明日実の婚約者だ。
 よく此処がわかったな」

「鏡花さんに聞いたの」
と言った真冬はチラと貴継の後ろの顕人を見、

「婚約者も居るのに、こんなところまで来て、莫迦じゃないの?
 ……っていうか、それ、どんなプレイ?」
とネクタイでつながれた男二人の手を見る。
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