ケダモノ、148円ナリ
 




 早朝、玄関のチャイムが鳴って、明日実たちは目を覚ました。

「は、はい?」
と明日実が出ようとすると、貴継が止める。

「待て。
 こんな朝早くに誰が来るんだ?」

 なにか気になるじゃないか、俺が出る、と言う。

「新聞屋さんかもしれません」

「なにしに」

「……新聞入れ間違えたから返してください、とか?」

 阿呆か、と言いながら、顕人と手をつないだまま、貴継はインターフォンを確認に行った。

「知らない女だな」

 え? と明日実もそちらを見に行く。

「……この方、おにいさまの婚約者の方じゃないですか?」

 明日実のその言葉に、貴継に引きずられながらも、塞いでいるかのように俯きがちだった顕人が顔を上げた。

「お前、会ったことあるのか」
と問う貴継に、

「いえ、ショートカットなので、なんとなく……」
と答えると、そりゃ、お前の妄想の中での話だろ、という顔をする。

 顕人が二人の隙間からカメラの映像を確認した。
< 306 / 375 >

この作品をシェア

pagetop