ケダモノ、148円ナリ
「やはり、おにいさまは私にとって、ただの安心できる身内だったのでしょうか。

 ではきっと、おにいさまも私とキスしてみて、わかられたことでしょうね」

 いや、と貴継は言う。

「わからなかったと思うぞ、あれ。
 っていうか、あいつの愛情は、最初から、よこしまな愛情のような気がするぞ」

 明日実、と呼ばれ、はい、なんですか? と見上げると、

「遅刻するから――」
と言うので、

「そうですね。
 じゃあ、支度を」
と言うと、

「そうじゃなくて。
 早く来い」
と手招きをする。

「は?」

「顕人に汚されたから、ちゃんと汚し直しておかないとな」

 なんなんですか、それは、と思っている間に、抱き寄せられる。

 なんとなく、抵抗しづらく、貴継の口づけを受けながら、そういえば、嫌ではないな、と思っていた。

 嫌ではない……。

 ちょっと、ドキドキする、かもしれない……。

 いや――。

 いや、きっと気のせいだ、と思いながら、結局、遅刻ギリギリまで家に居た。




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