ケダモノ、148円ナリ
「ずっとお前を見てたよ。

 これからも見守っていくつもりだった。

 それで俺は満足なんだと思おうとしてた。

 でも、こんなことになって初めて、そんな気持ちはまやかしだと気づいたんだ。

 明日美、お前が俺の妹でも構わないっ」

「離してくださいっ」

 強く明日実に口づけたあとで、顕人は言う。

「なんで、俺はお前があんな男に汚される前に……っ」

「えっ?
 あ、あのっ、貴継さんには、まだなにもされてませんけど?」

 顕人の動きが止まる。

「……なにも?」
と顕人が暗がりで自分を見つめる。

 なにも、と頷くと、
「……そうか。
 たいした男だな」
と顕人は感じ入ったように呟いた。

 はい、とホッとしかけたが、
「よかった。
 俺が一番最初で」
と言いながら、明日実の胸に唇を寄せる。

 やっぱりおやりになるんじゃないですかーっ。

「貴継さんっ。

 ……貴継さんっ、助けてくださいっ!」

 そのとき、入り口で声がした。
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