柔らかな彼女

二人の時間②

朝食を終え、彼女のボストンを右手に持ち左手で彼女の手を握り
一度オレのマンションへ戻る。

彼女のボストンをリビングに置き、着替える間、彼女はソファに
座り1LDKのオレの部屋を珍しそうにきょろきょろ眺めて嬉し
そうに微笑む。

「おまたせ、どこ行こうか?行きたいとこ、ある?」

準備を済ませ、彼女の前に立つと、彼女は少し首を傾げ黙ってしまった。

「ん?どうした?疲れちゃった?さあや?」

「・・・、あの・・・ね、デートはしたいの。二人でどこか出かけたい。
逆にたけと二人なら、どこでもいいの。だけどね・・・。」

「なに?遠慮してんの?さあやの行きたいとこで好きな事しようよ。
オレもなんでもいいんだよ、さあやが一緒なら。」

彼女は下を向いて、真っ赤になりながら

「・・・・・・。・・・たい。」

「ごめん、聞こえなかった。」

「えっ、えっちしたいの。今、抱いてほしい。」

今度は、早口に言い切った。


「!!!」

「変な事言って、ごめんなさい!自分でもついさっきまで、してたのに
またこんなこと、午前中からおかしいって、わかってる!
でも、なんか、今一番したいことは・・・たけが欲しくて
おかしくなりそう!!」

顔を真っ赤にしながら、今度はオレの目をしっかり見つめる。
一瞬で、自分の下半身に熱がはしった。
そのまま、抱きしめて、キスして、押し倒していた。

「たけ・・・。たけ・・・、好き、大好き・・・。」
重ねた身体の、耳もとで、初めて会った日から大好きだった彼女の柔らかい
声に何度も名前を呼ばれ、止まらなくなる。

「さあや、さ・・あ、や。かわいい。好きだよ。」

と、自分も熱にうかされたように繰り返す。
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