柔らかな彼女
なんとなく、気恥ずかしいまま午後の仕事を終わらせ
何時ものように、定時であがった。

彼からは、何件かメールがきていて

「「いまから、取引先に行ってくるよ。」」

「「いま、帰り道。今日は会えないの、さみしい。」」

移動や休憩のたびに、くれているみたい。
私も、電車に乗ってからメールを打つ。

「「今から、てまりに行ってきます。きちんと話してくるね。」」

すごい速さで返信がきた。

「「今日、てまりに行っていい?」」

どうしよう、何かこうなってしまうと、てまりで会うのはすごく
恥ずかしい気がする。
でも、拒否するのもどうかな?・・・どうしよう。

「「なんか、恥ずかしいし、たけが来てくれたら、そっちばっかり
気になって仕事にならない気がするの。
もし、嫌でなかったら合鍵つかってうちで待っててくれませんか?」」

「「一回帰って、着替え持ったらさあやんちで、待ってる。」」

うわっ、また返信はやっ。

「「お風呂も、冷蔵庫の中のものも自由にしていいから。
ビールも冷えてるし、おつまみになりそうなものも、適当に出して
いいので、待っててね。帰るの楽しみになった。ありがとう。」」

嫌だ、私、電車の中でニヤニヤしてる。気をつけなきゃ。

その後、閉店後に大将にたけと付き合い始めたことを含めて
辞めたいことを話した。

大将は、すごく喜んでくれた。

「さあちゃんみたいな若くて可愛い子が、毎日、会社とバイトだけ
って駄目だと思ってたんだよ。よかったな。
あの、週に三日は通ってきて、いつもさあちゃんを見てた彼だろ。
よさそうな男じゃないか。
取りあえず、他のバイトに日数増やせるか確認するから、週二日
くらいは、次の子決まるまで出来るかな?」

「もちろんです。勝手な事言ってすみません。きちんと、人の手配が
出来るまでは、何日でも入ります。」
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