柔らかな彼女
ー4-

止まらない

月曜日、朝からシャワーを浴びながらいちゃいちゃして
離れたくない気持ちいっぱいのまま彼女と別れ会社へ行く。

一時半、ピークを過ぎた社員食堂でカズと一緒になる。

「お前さー、俺のメール完全無視ってどういうことよ?」

「えっ?メール?あー、そういえば来てたな。悪い、ちょっと
余裕なくて。」

そういえば、何通かメールが来ていた。でも昨日の俺に返信を
しろというのは無理なことだ。

「で?あの後、どうしたわけ?一緒にメシいったんだろ?」

「うん、付き合うことになった。ていうか、結婚する。」

「は?お前、何言ってんの?大丈夫か?」

「大丈夫だよ、なんかな、もう止まんねーの。気持ちが。
悪いけど、絶対彼女のこと他の男に渡せないから、俺、
土曜から子作り始めたから。」

「はーっ?!マジで言ってんの?彼女は?それでいいって?」

「わからん、始めはわざと黙って避妊しなかったんだけど、
既成事実作っちゃえば逃げられないかなって。
でも、四回目からは、避妊してない宣言したけど拒否られて
ないから、きっとさあやも同じ気持ちだと思う。」

「いやいやいや、ちょっと待て。
今の、突っ込みどころ満載だったよな。
まず、土曜って、あの後?すぐやったってこと?
そいで、何?四回目からって、お前土曜の夕方から日曜だけ
で何回やってんだよ?しかも、いきなり子作りって。」

「あー、そうか。土曜っていってもカズと別れた後、店で
飲んで、さらにさあやんちで飲んでからだから、日付変わって
日曜だったかも?
何回やった?んー?七回?八回?あんまり覚えてないや。」

「って、すげーなー!お前今まで、女いたときいつもそんなに
がっついてたの?」

「いや、こんなの初めてだって。もう、本当に止まんねーんだって
見ていたい。触りたい。抱きたい。って。いますぐ役所いって
婚姻届もらってきたい気分だよ。」

カズが定食を食べる手を止めて、文字通り、あんぐりしてる。
だよな。自分でもびっくりだもんな。


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