イジワル副社長と秘密のロマンス
「そうそう。AquaNextを出てから、続けて一社顔を出して……そっちはすぐに済んだんだけどね。その後、可菜美から電話がきて、話があるっていうから行ったよね。彼女の所属する事務所に」
「そうだったんですか……白濱副社長は、津口さんともよく会うんですか?」
「会うよ。友達だからね。でもさっきのは仕事相手としてたけど。そっちにも電話かかってこなかった? ものすごくご機嫌斜めに」
社長に何度か電話がかかってきていたのは覚えているけど、その中に津口さんからの電話が含まれていたかどうかまでは把握できていない。私は首を横に振る。
「そっか。そっちからも何度も電話がかかってきてたから、ちょっとした騒ぎになってるだろうなと思ってたけど、違うみたいだね。俺も電話で済ませばよかった。怒りと愚痴と千花ちゃんへの嫉妬で疲れちゃった」
「……お、お疲れさまです」
話の中にさりげなく自分の名前を入れられて素直に口元を引きつらせると、白濱副社長がまたにこりと笑った。
嫌な予感を覚え、ついつい身構えてしまう。
「本社に戻ろうとしてたら、通りを歩く千花ちゃんを発見しちゃって、追いかけて来ちゃった。千花ちゃんに、聞きたいことがあったんだよね」
「……な、なんでしょう? 答えられる質問でお願いします」
「前に、小学校の時から藤城弟に片想いしてたみたいなこと言ってたよね」