イジワル副社長と秘密のロマンス
あまりの驚きぶりに若干面食らいはしたけれど、恥ずかしがる千花は可愛くて仕方がない。
「顔真っ赤。お願いだから倒れないでよね。重くて運ぶの大変そうだし」
「うるさいな! そっちがからかうからでしょ!」
「あー。楽しい」
「樹君っ!」
膨れっ面だった千花が、笑顔に戻っていく。夏祭りの予定や行きたいと思ってる場所について、楽しそうに話し出す。
俺は時折口を挟みながら、彼女の言葉に耳を傾けた。
笑顔も、声も、繋がっている手の温もりも、千花のすべてが心地いい。
彼女と過ごせるこの時間を、一秒一秒を大切にしたい。
心の底からそう思った。
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昴じいさんの再度のぎっくり腰に慌てたり、ユメのシャンプーが上手くできなくてふたりで泡まみれになったり、プールで彼女の水着姿にドキドキさせられたり、テレビのCMで流れるAquaNextの新作バックに見惚れる千花から思わず目を逸らしてしまったりと、夏休み限定の恋人関係は、穏やかに続いていく。
千花に緊張やぎこちなさがあったのは、最初のころだけ。徐々に彼女も自然体へと戻り、いつの間にか二人でいることが当たり前のようになっていた。
夏休みが終われば離れなくちゃいけないのだから、自分の隣に千花がいることに慣れ切ってはいけない。