拾われた猫。
「ってことはやっぱり口説いてたんだ?」
「馬鹿、違うって言ってるだろうが」
まるで平助と新八を見ているようだった。
この2人が揃うとこうなるのか。
長く見ていると、性格はよく分かってくる。
総司は人をおちょくるのが好きだ。
それが生き甲斐みたいな人だということが分かった。
総司がいると、休まることがない。
それがいい所でも悪い所でもある。
2人の会話に掻き消されそうな声が聞こえた。
「本当に…綺麗だ」
一は外套から少し覗いた私の髪を見て、そう言った。
元の世界では綺麗だなんて言われたことは無かった。
あの世界はただただ血の匂いが漂う世界だった。
だから私の髪の色は〝血〟の色だった。
私もそう思っていた。
ここに来て認識が変わるなんて…。
気恥ずかしくなって、外套をもっと深く被る。