拾われた猫。



その時、彼女が土方歳三の上から持ち上げられた。



「軽っ…。

もうちょっと食べなよ、雨ちゃん」



大事そうに抱えたのは沖田総司だった。




「総司っ…!」

「何ー、平助」


クスリと笑った彼が藤堂平助を見る目は挑発するような瞳だった。



そんな彼に藤堂平助は何も言えなかった。




「…総司…、どこ?」



もう目を閉じている彼女の口から、沖田総司の名前が呼ばれた。



沖田総司は嬉しそうに彼女を見つめる。




「大丈夫だよ、ちゃんと側にいるから」



愛おしそうに見つめる沖田総司に、心を痛める人がいることに彼は気づいていた。



それでも彼女を渡さない…。


彼の叫びだった。



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