拾われた猫。
その瞬間、両肩をガシッと掴まれて横を向かされる。
「雨ちゃん、俺のことも『新八』って呼んでみてくれねぇか!?」
必死に頼む彼に驚いて言葉が出なかった。
少し興奮気味な彼をぼーっと見ていると、遅れて助け舟が出た。
「新ぱっつぁん!
自分が女に人気ねぇからって雨を使うなよっ!」
新八から私を引き剥がしたのは平助だった。
平助は守るように片手で私の肩を抱いて、もう片方を前に出した。
新八が顔の割に人気無いってことは、多分性格の問題だろう。
それよりもこの体勢は恥ずかしい。
「んなこと言って、お前だって名前で呼んでもらってんだろうが!」
「俺は雨以外も呼んでるからだろっ!」
最近はこの張り合いを見ることで、朝が始まったんだと思えるようになった。